線維筋痛症

症状 

 主症状は慢性の痛みで、痛みの部位は右・左半身、腕・足、など全身の広範囲にでます。痛みの場所と程度は日によって変化するだけでなく、一日のうちでも変化します。また、気候の変動(台風や低気圧の接近、気温変化)など、さらには、感冒などの感染症への罹患や激しい運動、睡眠不足、精神的ストレスなど、さまざまな要因によっても症状は悪化します。痛みだけでなく関節リウマチに類似した朝のこわばり感もみられます。しかしながら、検査をしても自己免疫の異常や炎症はみられません。 

 

そして線維筋痛症ではさまざまな体・神経・精神症状をきたすことがあります。疲労感や全身倦怠感、頭重感・頭痛(片頭痛、筋緊張性頭痛)、しびれ感、睡眠障害、不安感、抑うつ感などが高頻度に認められ、乾燥症状(ドライアイ、ドライマウス)や過敏性腸症候群に類似した腹部症状・便通異常、動悸、めまい感、焦燥感や集中力低下、体のほてり感や冷感、微熱、むずむず脚症状などもきたすことがあります。 

 

厚生労働省研究班の2003年の全国調査で、日本では線維筋痛症は男女比が1:4.8と女性に多い病気です(欧米では男女比は1:7~8とさらに女性の頻度が高いとされています)。発病年齢は40歳後半の年代に多いとされていますが、子供(若年性線維筋痛症)や65歳以降の方にも発病します。 

 

西洋医学では、現状あらゆる検査を駆使しても原因が不明のため、鎮痛剤や、抗うつ薬等を使った対症療法を行います。 

 

 当院では、「不通促痛」(通らざれば痛む)が原因で繊維筋痛症の症状がでていると考えます。不通則痛は鍼灸の最古の医学書「黄帝内経」に書かれており、痛みの根源とされています。全身をめぐっていている「気」「血」「水」の流れが滞る事で、痛みを生じています。 

 

治療は五臓の「肝」を高める事を中心に行います。「肝」は血を体のすみずみまで送り届ける機能(東洋医学では疏泄作用という)をもっています。繊維筋痛症はこの「肝」の機能が著しく低下していいるため、全身のさまざまな場所に症状がでているのです。西洋医学的に部分、部分をみていては対処は困難ですが、東洋医学では症状の根源を治療するので、全身の広範囲にわたる症状が改善していきます。 

 

個人差はありますが、平均3~4回の治療で、効果を感じていただける方が多いです。